東京・田園調布 お菓子教室・フランス料理教室・テーブルコーディネート教室 村松操 主宰/サロン・ド・トレミニョン テクニック・マナー・インテリジェンス

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シェイクスピア『マクベス』

2020.02.03 Monday

子どもの頃からの謎。

それは、シェイクスピアの4大悲劇のひとつ『マクベス』の冒頭に出てくる魔女たちのセリフ。きれいはきたない、きたないはきれい。

劇の一番最初の冒頭部分で出てくる魔女たちのシーンは、その後の悲劇をドラマチックにする装置のような働きをしているわけですが、真反対のことを並べるセリフは、通常の私たちの人間社会を生きる観客にとっては気味の悪いものです。

生理的に受け付けない。どういうことか論理的に解釈できない。

そうした「未知」「異質なもの」への恐怖を煽ることに成功しているシェイクスピアならではの手法なのかしらとも思ったりします。

あの『マクベス』を理解したくて、スコットランド、インバネスからバスに乗ってトコトコと、マクベス城まで出かけてみました。虹がいっぱい出ていて、地球の北のほうに来ているんだなと思いました。

惑わされてしまう人間の性を描こうとしたのか。

大人になっても、今になっても、マクベスの魔女のセリフはシェイクスピアの遺してくれた素晴らしい戯曲法として学ぶべきものがあると思っています。

author:村松操

ヨーロッパ文学への興味が広がりますように

2020.02.02 Sunday

新しくなったブログ(ダイアリー)に合わせて、旧「美術への招待」を「ヨーロッパへの招待」とあらため、西欧絵画のほか、ヨーロッパ文学についても言及していくカテゴリーを設けました。

ヨーロッパのことをよく知っていただきたい。アメリカとはまた違う文化があることを。

NHKの「チコちゃんに叱られる」でお教室収録をしていただいた時、「クッキーとビスケットの違いはな~に?」の質問に、ヨーロッパの連綿たる食文化の観点から答えを出しました。また、フランスに留学していた頃、アメリカの大学から留学にきていた同期から、「私たちの国には3 桁の年号がない」と言われ、フランス、そして日本など、歴史の古い国に対する憧れがあることを聞かされました。

これからの国際社会の安定であったり、平和を考えていくときに、文化の多様性を重んじることはとても大切であると常々思って参りました。

ヨーロッパ文学の歴史を追いかけていただきながら、欧州の文明文化に興味を抱いていただけたならと思っております。

私の気になるものから取り上げますので、大学の講義のような堅苦しいものではございません。読んでみたいな~と思ったら、ぜひ、図書館で。そんな感じです。

author:村松操

ルネサンス 美しいお姫様の肖像画 

2019.12.29 Sunday

美しいものは、心を潤してくれる・・。ルネサンス初期の美しいお姫様をしばし眺め、すーっと気持ちを天に浮かせたい気分です。

以前にも同じ作家さんのもので、初期ルネサンスの美しいお姫様としてご紹介したことがあります。清楚なお顔立ち。凛とした貴婦人としての品格。そして、随所に散りばめられた時代性。そんなところが観どころでしょうか。

髪の毛の束ね方。すっごく研究されていた様子がわかります。レオナルド・ダ・ヴィンチも彼女達のお洒落な髪の毛について素描しているほど。クレオパトラの時代からもう美容は始まっていましたが、ルネサンスはルネサンスで様々な美容法が生まれていたそうです。真珠を編み込んだり、複雑に結いあげられた髪の毛が貴婦人の象徴だったとも言えます。

ポライウォーロ兄弟の絵画は、こうした美しい貴婦人像だけが魅力ではありません。お姫様達の肖像画にも生かされていることですが、解剖学的な知識を基盤とした人体表現が垣間みられることろが美術史な流れとしては注目しておきたい点です。

美しいお姫様に「骸骨」をあてはめてみて下さい。私の言っていることがわかっていただけることでしょう。

過去ブログ
2015年7月31日「美術への招待」より