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ヤン・ファン・エイク『受胎告知』 世にも美しい名画のひとつ

2019.12.29 Sunday

北方ルネサンスを代表する名画のひとつ。ヤン・ファン・エイク作『受胎告知』(1434−36)。

久々にこの作品とじっくり対面することになりました。いつ眺めても美しい。レオナルドの『受胎告知』とどっち、などという愚問は無し。比類ない美しさはどちらにも認められ、表現の違いはあるにせよ、「受胎告知」という物語の重要なシーンを見事に描ききっています。

油彩画の技法を確立したことで知られる兄弟ですが、油絵技法の発達があればこそ、現代につながっていくわけで、彼らの新しい美の発見は、美術史上に名を残すに値するものでした。

視覚表現の可能性の追求。
美術史というのは、その連綿たる繋がり、歴史です。

作家(作品の作り手)が見出した「未知なる可能性」への挑戦を讃え、後世に伝え、愛好家の方々を増やし、人間社会に「美」という心の潤いをとどめおく。そんな役割を果たしてくださる方々が増えることを望んでやみません。

一流の美しいものを見て、心が荒む人はいないでしょう。気持ちは晴れ、心は洗われ、ボ~~っと眺めているだけで何かが伝わってきます。絵画は、平和にもつながる貴重な役割も担っています。そうした思いを込めて、このコーナーを綴っております。

過去ブログ:
2016年10月3日「美術への招待」より

美しい中世の女王『イザベル一世』の肖像画

2019.12.29 Sunday

有名な「グラナダ陥落」で知られる女王、イザベル一世。

イタリアではフィレンツェ・ルネサンスが花咲いている頃、 現在のスペイン、ポルトガルではご覧のように中世の色合いの濃い表現が残っていて、 スペインの独特の歴史を垣間みることの出来る一枚です。

グラナダに埋葬され、今は安らかな眠りについている女王も生きている頃は激動の人生を送っていました。

コロンブスを支援したことでも有名です。
新大陸進出に援助を惜しまなかったとのこと。
かなりの英断だったと思います。
やってみればいいじゃない、的なかなり太っ腹な彼女の一面が歴史書によって伝えられています。

ヨーロッパ文学を理解していく上で避けて通れない「スペイン黄金時代」はこのイザベルとフェルナンドの時代だと言われています。

ルイ14世もそうですが、黄金時代を築く王様、女王様というのはとてつもないエネルギーで人生を駆け抜けます。
その息吹がこうした肖像画からも時代を超えて私たちに伝わってくるのだからステキ。

過去ブログ
2013年6月12日「美術への招待」より

ミケランジェロ 世界で最も美しいピエタ

2019.12.29 Sunday

世界で最も美しい彫像のひとつ。
ピエタ。

ミケランジェロの作品で、ローマ法王のお膝元、バチカンにあります。
マリア様がイエスキリストを抱きかかえ、嘆き悲しむ様を再現するピエタ。

人間が観て最も安心(安定)するという三角形の図像によってこの作品の美しさは構成されています。
写真だと平面になってしまい、この作品の本当の迫力は観ることが出来ません。
ボリュームはかなりあります。

聖書の一場面が立体的な舞台となって私たちの前に呈示されているようなもので、私たち鑑賞者はその一場面への同席者として臨場感をもってこのピエタを見つめることになります。

防弾ガラスは今はあるのかしら・・・。
もしそのままみることができたら、それは素晴らしい経験になると思います。

彫像類はかなり好きで、大英博物館でもルーブルでも、古代ギリシャ・ローマのものは制覇しています。
でも、このルネサンス時代の作品は、それに勝るとも劣らないすばらしアウラをもった稀な美術品だと思っています。

飛行機にのって日本に来ることはないでしょうから、ミケランジェロの最高傑作に会いたければイタリア・バチカンまで行って下さい!

きっと私が今書いていることが実感をもっておわかりいただけることと思います。

過去ブログ
2013年3月25日「美術への招待」より