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美しい中世の女王『イザベル一世』の肖像画

2019.12.29 Sunday

有名な「グラナダ陥落」で知られる女王、イザベル一世。

イタリアではフィレンツェ・ルネサンスが花咲いている頃、 現在のスペイン、ポルトガルではご覧のように中世の色合いの濃い表現が残っていて、 スペインの独特の歴史を垣間みることの出来る一枚です。

グラナダに埋葬され、今は安らかな眠りについている女王も生きている頃は激動の人生を送っていました。

コロンブスを支援したことでも有名です。
新大陸進出に援助を惜しまなかったとのこと。
かなりの英断だったと思います。
やってみればいいじゃない、的なかなり太っ腹な彼女の一面が歴史書によって伝えられています。

ヨーロッパ文学を理解していく上で避けて通れない「スペイン黄金時代」はこのイザベルとフェルナンドの時代だと言われています。

ルイ14世もそうですが、黄金時代を築く王様、女王様というのはとてつもないエネルギーで人生を駆け抜けます。
その息吹がこうした肖像画からも時代を超えて私たちに伝わってくるのだからステキ。

過去ブログ
2013年6月12日「美術への招待」より

クリムト ウィーン世紀末美術の装飾美の権化・傑作作品

2018.01.26 Friday

クリムト。ウィーン世紀末美術を代表する人物です。

西洋美術史の教科書には必ず登場してきます。なぜ、こんなのが・・・・と思ったのは大学生の頃。その後、ヨーロッパに行くようになり、留学もし、ウィーンにも赴き、そんなことを重ねる中で、出会ったのが「大クリムト展」でした。

ドイツ語がわからないから何を記念してのことだったのかいまだに不明ですが、クリムトの作品ばかりがズラ~~~と並べられていて、一種独特の雰囲気で、入場しようかどうか迷ったくらいでした。

クリムトばかりを見つめているうちに、それまで私の中にあった先入観が浮き彫りとなり、ダメだな・・・・と反省したことを思い出します。

眠れる美(いまだ発見されず隠されている新しい美)の発掘をするのが役目なのに、持ってないようで持っているのが決めつけなんだと経験しました。こんなことじゃ「作品」と対話なんてできてない、と、がっくり肩を落としました。

美しいクリムトの装飾美。

彼女のドレスも、その上に羽織っているお洋服も、椅子も、何もかもが、それぞれ独自の文様で表現されています。細かく鑑賞することに意味のある作品がクリムトなんだろうと思っています。

目のような文様、見えますか。彼なりの意味合いを込めて、世紀末らしいメッセージも実は織り込まれている作品です。

言いたいことはいっぱいありますが、ここでは、まず、うっとりと眺めてもらうことを主眼としています。美しさを生み出すために、画家たちがそれぞれのオリジナルの表現法を見出していった努力と功績。時代を超えて愛され続ける人類の宝物には、圧倒するようなパワーと、唯一無二の作り手の生き様があるように思えてならないのです。

皆様もご一緒に、この絵、しばらくじ~~~~っと見つめてあげてください。