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シェイクスピア『マクベス』

2020.02.03 Monday

子どもの頃からの謎。

それは、シェイクスピアの4大悲劇のひとつ『マクベス』の冒頭に出てくる魔女たちのセリフ。きれいはきたない、きたないはきれい。

劇の一番最初の冒頭部分で出てくる魔女たちのシーンは、その後の悲劇をドラマチックにする装置のような働きをしているわけですが、真反対のことを並べるセリフは、通常の私たちの人間社会を生きる観客にとっては気味の悪いものです。

生理的に受け付けない。どういうことか論理的に解釈できない。

そうした「未知」「異質なもの」への恐怖を煽ることに成功しているシェイクスピアならではの手法なのかしらとも思ったりします。

あの『マクベス』を理解したくて、スコットランド、インバネスからバスに乗ってトコトコと、マクベス城まで出かけてみました。虹がいっぱい出ていて、地球の北のほうに来ているんだなと思いました。

惑わされてしまう人間の性を描こうとしたのか。

大人になっても、今になっても、マクベスの魔女のセリフはシェイクスピアの遺してくれた素晴らしい戯曲法として学ぶべきものがあると思っています。

author:村松操