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ミケランジェロ 世界で最も美しいピエタ

2019.12.29 Sunday

世界で最も美しい彫像のひとつ。
ピエタ。

ミケランジェロの作品で、ローマ法王のお膝元、バチカンにあります。
マリア様がイエスキリストを抱きかかえ、嘆き悲しむ様を再現するピエタ。

人間が観て最も安心(安定)するという三角形の図像によってこの作品の美しさは構成されています。
写真だと平面になってしまい、この作品の本当の迫力は観ることが出来ません。
ボリュームはかなりあります。

聖書の一場面が立体的な舞台となって私たちの前に呈示されているようなもので、私たち鑑賞者はその一場面への同席者として臨場感をもってこのピエタを見つめることになります。

防弾ガラスは今はあるのかしら・・・。
もしそのままみることができたら、それは素晴らしい経験になると思います。

彫像類はかなり好きで、大英博物館でもルーブルでも、古代ギリシャ・ローマのものは制覇しています。
でも、このルネサンス時代の作品は、それに勝るとも劣らないすばらしアウラをもった稀な美術品だと思っています。

飛行機にのって日本に来ることはないでしょうから、ミケランジェロの最高傑作に会いたければイタリア・バチカンまで行って下さい!

きっと私が今書いていることが実感をもっておわかりいただけることと思います。

過去ブログ
2013年3月25日「美術への招待」より

妖しく美しく クリムトの黄金文様描写・装飾美の世界

2019.12.29 Sunday

クリムトの作品の中でも、とりわけお気に入りの『水蛇』(1904~07年)。妖しげな装飾美。クリムトの黄金装飾美の典型の一つと言ってもいいでしょう。

2人の女性が絡み合い、美しい髪の毛がそれを包み込むように、流れるように描かれ、水草の優しい曲線の流れと重なって、優美さを伝えているようです。背景となっている蛇の文様とも見事に組み合わせられています。巨大魚、蛸の足、海藻のようなもの。これらが画面下に描き加えられ、絵画世界がよりドラマティックに、神秘性に富んだものになっていると思われます。

左下に描かれている水に漂う海藻のようなもの。幼いころ素潜りをしていた時のことでした。太陽の美しい輝きが海面下に注がれていて、その光の先に、ゆらゆらと美しく姿を揺らす海藻の群れを見つけました。「なんて綺麗なの・・・」。美しさへの衝動にかられ、私は入り込んではいけない幻想の世界に踏み入るように手を伸ばしました。「!!!」。 手が・・・。そうです、これは絶対にやってはいけないこと。手に海藻が巻きつき、海の底に引きずり込まれます。もがいて引っ張れば引っ張るほど、海藻は手を縛るかのように私達を離さないのです。

息も少なくなっていくというのに、美くしい海の中を眺めている自分がおりました。急な潮の流れがはっきりと見え、死と隣り合わせにあることもわかりました。妖しくキラキラと輝く美しい海の世界。生命と死。クリムトをはじめ、19世紀末美術の画家たちがテーマにした題材です。

私が吐きだす大きな泡が尋常でないことに気づいてくれたお陰で助かりましたが、海の美しき魔物、とてつもなく美しく妖しく、命を落としかねないもの、「セイレーン」を想ったものでした。この作品に並々ならない思いがあるのは、個人的な体験によるものですが、この作品は彼の黄金装飾美という様式を代表する一枚であることは確かです。皆様にもそうした一枚があるのではないでしょうか。

過去ブログより:
2016年6月14日「美術への招待」

ヤン・ファン・エイク『受胎告知』 世にも美しい名画のひとつ

2019.12.29 Sunday

北方ルネサンスを代表する名画のひとつ。ヤン・ファン・エイク作『受胎告知』(1434−36)。

久々にこの作品とじっくり対面することになりました。いつ眺めても美しい。レオナルドの『受胎告知』とどっち、などという愚問は無し。比類ない美しさはどちらにも認められ、表現の違いはあるにせよ、「受胎告知」という物語の重要なシーンを見事に描ききっています。

油彩画の技法を確立したことで知られる兄弟ですが、油絵技法の発達があればこそ、現代につながっていくわけで、彼らの新しい美の発見は、美術史上に名を残すに値するものでした。

視覚表現の可能性の追求。
美術史というのは、その連綿たる繋がり、歴史です。

作家(作品の作り手)が見出した「未知なる可能性」への挑戦を讃え、後世に伝え、愛好家の方々を増やし、人間社会に「美」という心の潤いをとどめおく。そんな役割を果たしてくださる方々が増えることを望んでやみません。

一流の美しいものを見て、心が荒む人はいないでしょう。気持ちは晴れ、心は洗われ、ボ~~っと眺めているだけで何かが伝わってきます。絵画は、平和にもつながる貴重な役割も担っています。そうした思いを込めて、このコーナーを綴っております。

過去ブログ:
2016年10月3日「美術への招待」より