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ロココの美しい絵画・ヴァトー「シテール島への船出」

2020.08.15 Saturday

出典:ウェキペディアより


ロココの時代を代表する名画です。ヴァトーの作品『シテール島への船出」です。


けぶるような黄金色。

もわっとしている夢のような美しさ。

優しい色合い。

これらが「女性的なロココ」の特徴と言われています。


ロココの前のルイ14世の時代は、まさに絶対王政のさなか。ヨーロッパの中心として、世界の中心として、あの壮大なベルサイユ宮殿が建てられました。王が全宇宙を支配するかの如く振る舞い、中央集権国家が生まれた時代です。政治から文化、芸術にいたるまで、ルイ14世は徹底して法則化し国家を築いていきました。


その反動として生まれたのがロココ。ルイ15世の時代です。
芸術様式も全時代と大きく異なり、男性的なものから女性的なものへ。貴族趣味、快楽的、享楽的なものへ。描かれるテーマもそうした傾向へとシフトします。貴族や富豪が力をつけていく時代の中で、描かれる絵画も彼らが中心となっていきました。


ロココでは、ヴァトー、フラゴナール、ブーシェが活躍しました。日本では、ポンパドール夫人の肖像画や、それこそエロティックな内容を美しく描いた新しい時代を象徴するかのような作品『ブランコ』が、ロココの絵画として好まれているように思います。


貴族達が自分たちを主人公に、夢の一場面のごとく、また美しい舞台のシーンのごとく描いた作品です。ロココが残した「雅宴画」と呼ばれるジャンルの特性を、この一枚から読み取ることができます。