お料理上手な祖母と、明治生まれの「スイーツ男子」祖父を偲んで
2020.03.22 Sunday
お菓子教室・フランス料理教室
明日でお彼岸明けです。
ご先祖さまのことを思いつつ過ごす1週間。母にお料理を教えていたら(母は料理が苦手です)、亡き祖父と祖母のことに急に思いが募ってきました。
2008年、自由が丘のお菓子教室からスタート。2009年からはお料理教室も。ル・コルドン・ブルーのお料理コースに入学したての頃、あるシェフにフレンチを教えるようにと強くすすめられてのことでした。
子どもの頃から祖母のお手伝いをしておりましたが、祖母がお料理上手だっただけにコンプレックスもありました。戦争を通り抜けてきた人の教えは貴重なものでした。知恵もありますし、一滴の水も無駄にしない、食材も。そして衛生的にすること。殺菌、消毒、お掃除の仕方は特にうるさく仕込まれました。戦中戦後の中で、たくさんの方々が衛生上の問題や栄養不足からくるご病気で命を落とされていったことを体験していたからだと思います。
明治生まれの祖父は、手作りお菓子が得意な「スイーツ男子」だったそうです。和菓子も洋菓子もお家で手作りしてくれたそうです。日曜大工も得意だったのは犬が軒下から出入りできるようになっていた不思議なお部屋があったことから知っています。
祖父のお菓子で私にまで伝わっているのが「フルーツゼリー」です。キラキラした美しい「デザート」。色とりどりのフルーツがいっぱいで、眺めているだけで幸せ。ゼリー型もレトロ感満載の優美なものが遺っています。
母も祖父のフルーツゼリーだけはなぜか上手に作れますので、よくおねだりしたものでした。クッキーも失敗してしまう母ですが、今はパイ菓子に挑戦しています。この前試食したら思いの外美味しくできていました。
新型コロナウィルスで休講をせざるを得ない3月ですが、それなりに家の中でできる楽しみごとを見つけています。
そして、祖父や祖母のことを思いながら、いまの私のことを一番喜んでくれているのは二人かもしれないと思ったりも・・・。とりわけ祖母は、ずっとこの道につくことを願っておりましたので。
祖母が亡くなってしまってから始めたテーブルコーディネート教室。もっと早くに始めるべきでした。静岡新聞社さんからの紙面掲載のお話がなかったら、きっといまでもしていないと思います。大正ロマンを生きた祖母。ハイカラで、センスがよく、食卓もお家の中も、いつも美しく整えてくれて、綺麗な眺めのある暮らしの中で育つことができました。
お彼岸が明けて、桜が満開になって、4月になって。
3月中にいろんなことを考える時間的なゆとりがあり、そのことをこれからのお教室主宰に生かして生きたいと思います。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
author:村松 操